糖尿病性網膜症を人工知能によって正確率94%で検出 スタンフォード大学

目の画像

スタンフォード大学(Stanford University)の研究者は2017年3月27日、ディープラーニングを使用して糖尿病性網膜症を検出するアルゴリズムを作成したと発表した。糖尿病による失明を世界中で減らせる可能性がある。

糖尿病には世界中で4億1500万人以上の人々が罹患しており、成人の11人に1人が糖尿病患者だ。糖尿病人工は年々増え続けており、日本においては2016年に316万人に達した。

なかでも、糖尿病患者の約45%が患う糖尿病性網膜症は、失明に至る可能性があり、早期の検出と治療が必要とされる。しかしその検出には、眼の後部を直接検査し、眼底のカラー写真を評価する必要があるため、時間がかかるうえに費用負担も大きい。それゆえ、患者の半分以上は糖尿病性網膜症に罹っていることにさえ気づいていない。

糖尿病によるこの合併症を減らそうと、スタンフォード大学の研究者は、ディープラーニングを用いた糖尿病性網膜症を検出するための自動アルゴリズムを作成した。研究者たちは、様々な民族の7万5千人に及ぶ患者の画像から糖尿病性網膜症を検出するアルゴリズムを作成。それを使って、軽度から重度まで様々な段階にある患者を識別するように人工知能を学習させた。

結果、人工知能は軽度から重度までのすべての病期を、正確率94%で特定することができたという。また、このアルゴリズムは患者の画像評価に高価なコンピュータなどを必要とせず、一般的なパーソナル・コンピュータやスマートフォンで実行できるとしている。

この成果により、医師の作業負担が軽減し、限られた医療資源の効率を高められるとし、眼科医が不足している国においては、特に大きなインパクトを持つとしている。

関連情報

参考リンク:

スポンサーリンク
スポンサーリンク